芸術学研究科 教育研究上の目的

21世紀の芸術は、すべての領域における融合を必然としている。芸術の現状を視野に置きながら、芸術の理論と歴史の研究と想像力を養い、併せて専門及び学際的課題を含む応用領域の研究を行っている。専門分野の更なる研究と創作等を行うとともに、隣接領域の芸術と触れ合い、広い視野をもって芸術を理解することで、幅広い知識と技術を持った、次代の芸術をリードする人材を養成する。

芸術の新たな地平を切り拓く。

近年の芸術は、各分野がそれぞれ深化し、より高度な専門性が要求されるようになっています。
同時に、各分野のクロスオーバーする部分も大きくなるとともに、これまでの芸術の各領域を超えてマルティプル化しています。単独分野の研究を超えて、各分野が複雑にかかわり合うようになってきており、単独の芸術の深化をはかるだけでは十分といえない領域が多くなってきています。
本研究科は、以上のような芸術の現状を視野に置きながら、芸術の理論と歴史の研究と想像力を養い、併せて専門および学際的課題を含む応用領域の研究を行うことを目的としています。
このような理念を基に、博士前期(修士)課程は昭和26年に設置した文芸学専攻に加えて、平成5年に映像芸術専攻、造形芸術専攻、音楽芸術専攻、舞台芸術専攻の4 専攻を設置し、芸術の理論と高度な表現力を涵養することを主眼に構成しています。また、平成7年に開設された博士後期課程芸術専攻では、さらに自立した研究活動と高度な活動に従事するのに必要な表現能力と豊かな学識を持った人材の育成を目標としています。

大学院研究科長からのメッセージ

日本大学大学院芸術学研究科は、昭和26年の文芸学専攻に始まり、平成5年の映像芸術専攻、造形芸術専攻、音楽芸術専攻、舞台芸術専攻の増設へと、芸術研究の領域を広げてきました。そして平成7年には、博士後期課程芸術専攻を創設し、当研究科が目的とする総合的な芸術研究の場を整えました。学部8学科を基盤とした5つの芸術学研究科は、人類が培ってきた芸術分野をさらなる高みへと導くための研究を目的としています。芸術学研究科が提供するのは、芸術創作、そしてその創作を支える研究の場です。
そして一番大切なことは、芸術を大学院で学ぶということは、芸術の素晴らしさを社会に還元し、芸術によって世の中をリードしていく人材になってもらいたいということです。創作や研究をするだけでなく、作品や論文を世の中にどんどんと公開し、我々が追求している芸術が、社会、さらには人類にとって必要不可欠なものであることを強く認識してもらうことが大学院での学びの一番重要なことだと考えています。

川上 央, 日本大学大学院芸術学研究科長

71年の歴史を持つ芸術系総合大学院

現代文学を研究・創作の両面から考え、隣接ジャンルとの関係で幅広くとらえて文学の未来を探らせる。文学のみならず広義の文化研究の領域でも新研究を求めていく。そのためのあらゆる試みを可能にして、文壇・論壇・学界の新しい担い手を養成する。

今日の情報環境の中で役割が拡大してきている写真、映画、TV等各専門領域・専門分野の深化・総合化を図る。映像の各分野の歴史研究や作品研究、さらに各メディアの総合化の実験、他の芸術領域との統合を図るなど、高度な創作活動、理論的研究を通じて、より新しく専門的な表現実験に意欲的に取り組む人材、専門的な教育研究に従事する人材の養成と新たな総合的研究領域の形成を図る。

デザイン、美術、美学美術史の分野における専門家を養成する。創作研究、作品分析研究、歴史研究を多角的に追求し、平面、立体、映像等表現の伝統的及び現代的技法を習得する。芸術の根源的な営為への想像力を馳せる力を養う一方で、文献学の基礎的方法も学ぶ。国際的な視野を持ち、社会との連携も視野に入れつつ、IT時代に即応した先端的表現領域や、造形関連分野境界領域での表現の独創性も追求する。

音楽は、芸術文化の中で重要な部分を形成するばかりでなく、社会がますます複雑化し、多様化するにつれて、演劇、舞踊、映画、放送などといった諸分野との結びつきも、さらに密接になってきている。文化の国際化にともなう、まったく新しい形の活動も、めざましい。現実を見据え、いっそう高度な演奏、創作、研究を実践し、あるいは教育に当たることのできる人材を養成する。

演劇の実践教育及びその芸術表現を基盤に,戯曲,演出,舞台美術の空間表現と,演技,舞踊など身体表現の教育研究を主眼とする。ことに,映像メディアを活用した身体表現や創作実験の場の提供による表現など創造的研究を行う。従来の西洋演劇を中心にした学問体系のみならず日本の伝統芸能,民族芸術等を基盤として,これらの歴史研究,調査研究を実施し,高度な専門知識と実践的能力を有する人材を養成する。
近年の芸術は,異なった分野・領域の芸術が,先端的なメディア等を介在しながらクロスし,さらに密接な関係が成立している。専門の分野をより深く研究することを目的としつつ,どの分野からでも自らの研究に必要な他分野も研究し,新たな表現と理論の開発にも有効に機能するよう,芸術の学問と創作研究を確立し,自立した研究活動と高度な専門的活動に従事するに必要な高度な表現研究能力と豊かな学識を持った人材を養成する。

文芸学専攻

映像芸術専攻

造形芸術専攻

音楽芸術専攻

舞台芸術専攻

芸術専攻

躍進する修了生

日本文化に触れたことで、私はそれ以前の自分とは別の自分になってしまった気がします。


Patrick Rathnayake パトリック・ラタナヤケ, 博士後期課程芸術専攻修了

大学院で学んだことを生かし、これからも現代音楽の作曲、幅広いジャンルとの共同制作によるパフォーマンスも行なっていきたい


松本 真結子(作曲家), 博士前期課程音楽芸術専攻 2019年3月修了

研究を続けていきたい、深めていきたいと思っているのであれば、研究環境が整っている芸術学研究科で研究のためだけに時間を費やすこともお勧めです。


伊藤 景(日本大学芸術学部文芸学科 助教), 芸術専攻修了

舞台芸術専攻は、実践と実技がすごく隣にあるもので実践研究ができる環境が整っているのが一番の魅力だと思います。


田中 幸乃(日本大学芸術学部演劇学科 助手), 舞台芸術専攻修了