日藝とは 日藝賞

日藝賞

在学生、教職員などが中心となって選考する「日藝賞」は、著しく日藝の名声を高め、
その業績が社会に貢献し、芸術を志す学生に夢を与える人物に贈られています。

各界に多彩な人材を輩出していることで知られる日藝。特にメディアやクリエイティブの世界には出身者が多く、仕事を介して同級生や先輩・後輩と偶然に出会うケースも多いようです。そんな事実に着目し、校友とのつながりを深めるために創設されたのが『日藝賞』。全ての日藝出身者を対象にその年に最も活躍した人物を独自に表彰することで、出身者への敬意を表すとともに、在学生への励みとしています。まだ形になっていない表現への衝動を、よりよいカタチで表現してほしい。そのためのフックになれば…。そんな「遊び心」が現れた日藝ならではの賞なのです。

第6回 日藝賞

日藝賞は、日藝の校友のつながりを深めることを目的として、2006年に創設されました。授賞対象は、中退者も含め、かつて日藝に在籍していたことのある人すべて。また、活躍分野は一切問いません。在校生、専任教職員、校友会役員による投票で候補者が選ばれ、日藝賞選考委員会が業績などを審議して決定します。受賞者には、賞状、名前が刻まれた記念トロフィー等が贈られます。
第6回となる今回は、ロボットデザイナーの松井龍哉氏と、俳優の船越英一郎氏が受賞しました。2012年4月8日の芸術学部入学歓迎式の中で行われた授賞式では、受賞したお二人から、受賞の喜びと新入学生への励ましの言葉が述べられました。また、今回は、松井氏がデザインしたヒューマノイドロボット「Posy」も壇上に登場。かわいらしい動きで、会場を大いに沸かせました。なお、お二人には後日、改めて学内で講演を行っていただきました。

松井 龍哉 ロボットデザイナー

僕は、デザインの何たるかも分らない中学のときに、デザイナーになると決めました。日藝に入ってデザインを学ぶために日本大学鶴ケ丘高校の美術科を受験し、面接で「ニューヨーク近代美術館に作品を展示されるデザイナーになる」と言いました。その意思を持ち続けて17年間デザインと格闘し、33歳のとき、ニューヨーク近代美術館に作品が展示されました。そして、このたびは日藝賞をいただくことになりました。芸術は、意味をつくる行為です。デザインでも、音楽でも、必ず何かの意味があります。ですから、これから日藝で学ぶ皆さんには、「意思」と「意味」の2つを大切にしてほしいです。「意思」を持って「意味」をつくり続けてください。みなさん、入学おめでとうございます。

PROFILE

1969年、東京都生まれ。1991年、日本大学芸術学部美術学科卒業。丹下健三・都市・建築・設計研究所を経て、フランス国立高等工業大学大学院に留学。1999年に帰国後、科学技術振興事業団北野共生システムプロジェクトにてヒューマノイドロボットのデザインに携わる。2001年、フラワー・ロボティクス社設立。2009年、マネキン型ロボットを開発・販売。2006年より、財団法人日本産業デザイン振興会主催グッドデザインGマーク審査員。

【主な作品】

●ロボット:PINO、Posy、Palette、U.T.Palette、Polaris●その他:航空会社スターフライヤーのトータルデザイン、ダンヒル銀座本店・香港店店舗設計など●受賞歴:財団法人日本産業デザイン振興会「グットデザイン賞」(2000、2006、2009)、Industrie Forum Design Hannover「iFデザイン賞」(2010、2011、2012)●展覧会:水戸芸術館「松井龍哉展 Flower Robotics」(2006)

船越 英一郎 俳優

このたびは、素晴らしい賞をいただき、どうもありがとうございます。思い返せば、私の芸能生活は常に日藝とともにありました。撮影現場へ行けば、必ずスタッフに日藝出身の方がいます。私のテレビドラマシリーズの半数以上が、日藝出身の監督の作品です。映画学科の恩師はいまだに時々電話をくださって、演技を批評してくださいます。また、一昨年は、日藝の同期だけで作品をつくるという、夢のようなことも実現しました。本当に、日藝はいつも身近にあって、私を支えてくれているように思います。その日藝に入学したみなさんに申し上げたいのは、今日この日の初心を忘れず、奢らないということです。私自身も、日藝賞受賞を機に、初心に帰りますます精進したいと思います。

PROFILE

1960年、神奈川県生まれ。1983年、日本大学芸術学部映画学科卒業。1982年、TBS日曜劇場『父の恋人』で本名の「船越栄一郎」名でデビュー。以来、テレビドラマ、映画、CMなどに出演。特 に、民法各局の2時間ドラマには欠かすことのできない存在であり、多数の主演作品を持つ。近年では情報番組のナビゲーターやバラエティ番組、アニメーションの声優などにも活動の場を広げている。1997年、「船越英一郎」に改名。ホリプロ所属。

【主な作品】

●ドラマ:『その男、副署長~京都河原町署事件ファイル』(EX)、『狩矢警部』シリーズ(TBS)、『外科医 鳩村周五郎』シリーズ(CX)など●その他テレビ:『ソロモン流』(TX)、 『世界の絶景100選』(CX)●CM:八幡物産株式会社インフォマーシャル●映画:『もうひとつの少年』『おばちゃんチップス』『ウルルの森の物語』『白夜行』●著作:『船越英一郎の京都案内』(マガジンハウス)

日藝賞 歴代受賞者